平成17年6月定例議会個人答弁全文

 

(質問)荒神山一帯におけるイノシシ対策について

 この件につきましては、昨年6月、また12月の定例議会において質問をいたしておりますが、近辺に居住する住民を初め農業者にとって緊急的な課題であり、早急に対策が必要と考えますので、改め再度質問をいたします。

 昨年12月の質問の中で、「このまま対策を考えないと、今後、水田耕作の放棄田の可能性も考えられ、現実にそのように言っておられる農家もございます」と質問いたしております。現実には、稲は植えたいのだが、個人ではイノシシの対策ができないとのことで、不作付地になっている土地がぼちぼち出てきております。昨年の秋の収穫時期にイノシシの侵入防止策をしたにもかかわらず、大きな被害を受けたので、生産意欲がわかないとのことです。また、昨年までは、荒神山の東側、また南側に特に被害が多かったのですが、今年に入って西側にも毎日のように出没し、畑はもちろんのこと、柿園、梨園が荒らされ、防虫・防鳥ネットが破られ、園の中はかき荒らされ、果樹の根が引きちぎられている状態です。この地に日本梨を植栽され約30年、今や彦根の特産品として市内外多くの皆さんが心待ちにしてくださっている収穫期が約2カ月後となり、このままでは壊滅状態になるおそれがあると、彦根梨生産組合と柿生産組合では、少しでも被害を防ぐため、組合員知恵を出し合って防御に努めておられますが、イノシシに対してはしょせん素人の発想で一時的に防御できてもだめであろうと心配されております。また、この地域は特に彦根市の農業振興地であり、昨年同様、水稲への大きな被害が大いに心配されます。市当局として、早急な対応と一般住民を含め農業者への的確な指導が必要であると思いますが、当局が現在まで実施されてきた対応とその効果、これからされようとしている対応策をお尋ねいたします。
 また、今日まで荒神山一帯でイノシシによる山林内での被害調査報告、また、一般住民からの通報または要望があればお示しください。

(回答)産業部長
 まず、現在まで実施いたしました対応とその効果につきましては、昨年度11月29日に荒神山周辺9集落の農業組合長の方々やJA東びわこ、および県振興局が一堂に会しまして、イノシシの効果的な被害防止対策を紹介するとともに、侵入防止柵や捕獲用の檻の設置につきまして協議を行いまして、地域の方々のご協力のもと、平成17年1月に、特に被害が多かった荒神山の南側の稲里町北小路地先および東側の西清崎町地先に約1,000mのイノシシの侵入防止柵を設置いたしたところでございます。
 また、2月には、稲里町北小路地先と西清崎町地先にそれぞれ捕獲用檻を新たに設置をいたしまして、現在は東側を中心に荒神山内に5基の檻を設置しておるところでございます。
 その効果につきましては、捕獲用檻につきましては、平成16年度中に3頭を捕獲しております。また、侵入防止柵については、柵の設置以降、設置した周辺集落からの被害報告は受けておりませんので、それなりの効果があると考えております。
 次に、これから実施いたします対応策につきましては、荒神山西側にもイノシシ被害が拡大されている状況にありますため、捕獲用檻の一部を西側への配置変更を考えております。なお、檻の配置場所につきましては、より効果が上がるように地域の方々や県振興局、猟友会等イノシシ対策の専門知識のある方々と十分な相談をいたしまして、地域の方々のご理解をも得まして、早急に実施してまいりたいと考えております。侵入防止柵の設置につきましては、今年度も約1,000m分の増設を考えておりまして、被害状況に即した設置を行うため、荒神山周辺の9集落の農業組合長の皆さん、彦根梨生産組合、曽根沼・金屋柿生産組合、JA東びわこ、県振興局等が集まりまして、皆さんのご意見も集約する中でよくお聞きして早急に実施したいと考えております。
 また、荒神山は特別鳥獣保護区に指定されておりまして、市内外からの入山者も多く、銃器による捕獲は危険を伴いますことから実施をしていないのが現状でございますが、農作物被害が拡大していることから、今後その実施について各方面に働きかけてまいりたいと、このように考えております。
 次に、被害調査報告と住民からの通報または要望等につきましては、一般住民の方から山林内のタケノコの食害等を聞き及んでおりますし、上石寺町自治会からは、「猪による農作物被害の防止対策についてのお願い」といった要望書もちょうだいしておりまして、去る5月26日に、上石寺町自治会役員の方々や議会代表の方々、また県の振興局と現地の確認を行いまして、上石寺町周辺では自家用菜園や山林内のタケノコの食害、集落裏側の荒神山斜面においての土の掘り起こしを確認いたしましたし、曽根沼干拓における梨園では、梨園の防虫ネットの破損、ミミズを食べるために掘り起こしたと思われる土の掘り起こし、梨の木に体をすりつけたような樹皮の削れなどを確認いたしたところでもございます。
 いずれにいたしましても、イノシシ、サル、カラスを初めとする有害鳥獣の被害につきましては、全国的にも近年増加の傾向にございまして、本市におきましてもその対策に苦慮している現状でもございますが、JA東びわこ、県振興局や地域住民の方々と連携、協力のもと知恵を出し合いながら、今後の対策を講じてまいりたいと考えておりますので、その点でも格段のご理解、またご協力を切にお願い申し上げる次第でございます。
(再質問)荒神山一帯におけるイノシシ対策について

 荒神山一帯のイノシシ対策ですが、柵の設置をする、1年に1,000m、去年1,000m弱されて、今年もまた1,000mされているのは、そうすると、荒神山一帯にこの柵をし終わるのはどのくらいの歳月がかかると思われておるのか、到底こんな1km、荒神山は小さいようですけれど、周囲は大変広いわけでございますが、その点お聞きいたしたい。
 そして、そもそもこの柵を設置する目的は、イノシシが荒神山に侵入するのを防ごうと思っておられるのか、あるいは山から出ないようにしようと考えておられるのか、これはどちらも私ちょっとわからないわけですけれど、お聞かせいただきたい。荒神山は鳥獣保護区であることは十分承知いたしておるわけですが、元来この山にはイノシシは生息しておらなかったわけですから、有害獣として全頭捕獲するように対策を立てていただかなければ、侵入防止柵を設置したからそれでいいというものではないと私は思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、土砂災害防止のために、荒神山においても今調査がされております。この目的は土砂災害防止法にのっとって行われているものでございまして、土砂災害から住民を守るため、災害が発生するおそれがある区域を明らかにするというものであるとお聞きいたしております。ある近くの民家では、イノシシにより山が荒らされて、土砂災害につながるのではと心配されております。石が転げ落ちてきておる状態のところもあると聞いておりますので、この災害防止の対策はどのようにお考えかお尋ねをいたします。

(回答)産業部長
 先ほどのお尋ねで山林被害の点でも答弁が漏れましたので、申しわけございません。現在、地域からは山林被害としての報告は一切受けておりません。ただ、山の中をイノシシがかいた跡が見られるというような程度のことは聞いておりますが、被害としての報告は、先ほども申し上げたように受けておらない状況でございます。
 また、柵の設置目的でございます。防ぐ目的は何だと。入ってこないようにするのか、出てくるのを防ぐのかというお尋ねでございますが、元来、ご承知のように、あの荒神山一帯にはイノシシはなかったと私どもはそういう理解をしております。漁業関係者の猟師さんあたりから聞きますと、西江州から泳いで荒神山へ上がっているのを幾頭もこれは現実目撃されておることは事実でございます。そういったこと、また、ほかの愛護動物として飼っておられたのが持ち込まれた可能性も否定はできません。そういった中での、現在40頭から50頭はいるだろうという専門家の方の予測でもございまして、親子連れを稲枝地区の方もたくさん見ておられるような目撃証言もございまして、先ほど申し上げましたのは、さあ、どっちだというわけではございません。檻もやはりその状況に応じて設置もし、また場所も変えていかねばなりませんし、柵だけですべてが解決すると、このような単純なことは思っておりません。
 どのような方法がいいのか、必ずしも私ども行政だけじゃなしに、先ほどもご答弁申し上げておりますように、専門的な猟友会やらJA東びわこの方、また、振興局の方、技術関係の方とか市も地域の方も一丸となって、本当に何がいいんだろうと、みんなが困っているわけでございますので、どこかの1つのところでやれというような、またとれるような方法もございませんので、現実、1,000mの柵をするのも、いろんなところで協議をする中で、どのあたりがいいのかということを決めさせていただいて、市が主体的に責任を持って地域の皆さんとつくったと。また今後もつくっていこうとしているわけでございますので、その辺は一遍また抜本的に考えていかなければならないということでございます。
 先ほどもくどいようですけど答弁で申し上げましたように、特別鳥獣保護区でございます。すなわち、俗に言う鉄砲が打てないわけですね。しかしながら、ここまでひどいとなると、地域の方が山へ入るとかいろんなご事情をおっしゃったら、こういうこともできません。本当に山狩り的なものができるのかどうかも含めて、そしてまたある一定の場所にえさを置いて、そこへおびき寄せて何かするとか、いろんなことが今もご意見としてお持ちでございますけども、いや、それはだめだという方もおられます。やっぱり関係する人間が、それとまた出入りするお宮さんもございます。いろんな団体さんがまつわっておられますと、そういう方々が一致した方法で願い出るところに願い出て許可を受けるなり、また判断をして、何とか被害を食いとめるという方向でまずは協議することが何よりも大切かなと、このような立場で申し上げたつもりでございますので、今後とも、そういった事情でございますので、格段のご協力なりをちょうだいできればと、このように思うわけでございます。